Vacation 2005
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食と農:私の思い 大阪・千早赤阪村の「棚田守りたい」事務局担当・鈴木鉄雄さん

◆大阪府千早赤阪村の住民グループ「棚田守りたい」事務局担 当・鈴木鉄雄さん

◇景観守る充実感--新旧住民、橋渡しも

--農水省の「日本の棚田百選」にも選ばれた大阪府千早赤阪 村の棚田を守る稲作をされています。

鈴木さん 05年の初めに棚田農家の方が「稲作を続けられなくな ったが、やってくれる人はいないか」と村議に相談し、村議が私にも 声をかけてくれました。当時、大阪府庁の定年退職を間際に控え、 農業も稲作についても知りませんでした。稲作は3年以上空くと田ん ぼが傷むということでしたが、既に2年放置されていた。定年も近い しちょっとやってみようかなと思ったわけです。

--グループはどんな人ですか?

鈴木さん 村民は30年ほど前からある新興住宅地に移り住んだサラリーマンと、それ以前から住む農 家に大きく分かれます。この“新住民”を中心とする13世帯が「オーナー」として稲作を共同運営していま す。40~70代で、退職まもない世代が多いですね。

--苦労されたのでは?

鈴木さん 苦労の連続でこんなにきついと知っていたらやっていませんでした(笑い)。棚田は全部で28 枚、高低差は20メートルくらい。毎年必ずどこかが崩れるので補修しますが、これは平地の農家にはな い苦労でしょう。イノシシが収穫直前の稲を荒らすので柵を設ける作業もあります。

--どんなふうに運営をされていますか。

鈴木さん 田植えから収穫にかけては毎日、メンバーの一人が様子を見に行きます。週1回程度「オー ナー」が集まって手分けして草刈り作業などをします。「なるべく農薬を使わない」というのが不文律なの で、草につく虫を棒で払う作業もあります。広さは約3ヘクタールで収穫量は約1トン。知人や親せきにも 分けるので自分たちで食べる米の3~4カ月分でしょうか。

--棚田を守る手応えはいかがですか。

鈴木さん 荒れ地にせず景観を守ることで地元に貢献しているという充実感があります。この辺りでは 室町時代から棚田で稲作が続けられていたそうで、その歴史の延長線上にいるんだと思うと身が引き締 まります。新興住民と昔からの農家をつなぐ役割も果たせているのがうれしい。

--「つなぐ」とは具体的に?

鈴木さん 30年たっても私たちはどこかよそ者のような感じだったのですが、地元農家との共同送水溝 を補修したり、棚田の間に捨てられたごみを清掃するうちに、農家の方から気軽に声をかけられるように なりました。棚田とは別に畑も貸してもらうようになりました。いわば、認められたわけですね。

--今後、活動範囲を広げますか?

鈴木さん 他からも手伝ってほしいとよく言われるのですが、大変な作業なのでなかなか。ただ、別の所 で始めたメンバーもいます。そうしてじわじわ広がればうれしいですね。【聞き手・岩崎誠】

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■人物略歴

◇すずき・てつお

大津市出身。65年大阪府庁に就職。75年に千早赤阪村に移住した。05年定年退職。稲作のほか、 事務局として会報の発行やホームページの管理も担当している。63歳。

毎日新聞 2008年12月8日 大阪朝刊

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現地視察(05年3月6日.土)

写真で見る

「棚田復活の1年(05年)」

いよいよ草刈りの開始(05年4月3日・土)

初代事務局:鈴木鉄雄 氏

背丈ほどもある草を刈り始める(05年4月3日・土)

草刈り機・購入した人も持っている人も総動員

(05年4月3日・土)

年間を通してこつこつと草刈りをした河内さん

(05年4月3日・土)

刈りを終えて、棚田が姿をあらわす

(05年5月8日・日)

水田づくりが始まる(05年6月12日・日)

田起し、水田づくり“1級耕耘機運転士”林さんが大活躍

(05年6月12日・日)

水田の畦づくり(05年6月12日・日)

水を張って、水田に(05年6月20日・月)

畑には、スイカ、そうめん瓜、春菊、ゴーヤ

などを植える 食卓が豊になった

(05年6月20日・月)

田植えを行ったが、写真がない 田植えのあとの稲

(05年6月22日・水)

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